NHN Cloud Meetup 編集部
EasyCacheサービスの紹介
2020.05.01
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EasyCacheとは?
2019年12月に韓国リージョンが先行してリリースされたEasyCacheは、Redis(REmote DIctionary Server)をクラウド環境で提供する商品に簡単な設定で高可用性のRedisサーバーを使用できるようにするサービスです。2020年4月下旬より日本リージョンでも利用できるようになりました。
EasyCacheはレプリケーショングループ単位でRedisサーバーを管理し、このレプリケーショングループを作成、管理して円滑に利用するために必要な付加機能を提供しています。
それぞれの機能について簡単に説明します。
レプリケーショングループ
レプリケーショングループは、1台または複数台のRedisのサーバーで構成されている論理単位です。レプリケーショングループを構成する個々のRedisサーバーのことをノードと呼びます。
最初にレプリケーショングループを作成するとマスター1台のみで運営するStandaloneとなり、この場合、対象ノードに障害が発生すると、レプリケーショングループは正常に利用できない状態になります。
レプリケーショングループを利用できないとアプリケーションに影響がある場合には、レプリケーショングループにノードを追加して、マスター/レプリカのレプリケーションを構成する必要があります。
接続
作成したレプリケーショングループにアクセスできるURLを作成すると、詳細画面の[アクセス情報]タブで確認できます。
接続URLは、作成画面の[VPC Subnet]で指定されたVPCのサブネットと同じサブネットを使用するCompute商品のインスタンスのみアクセスできます。
VPCサブネットの詳細は、こちらをご覧ください。
外部ネットワークでの接続
同一のVPCサブネット以外のネットワークから接続したい場合は、フローティングIPアドレスを接続します。
フローティングIPアドレスを接続すると、以下のようにパブリックドメインが追加され、このパブリックドメインを利用すると外部でも接続することができます。
セキュリティのためレプリケーショングループが使用するVPCサブネット以外の接続は遮断しています。フローティングIPアドレスを接続して外部から接続する場合には、アクセス制御情報にアクセスしようとする帯域のCIDRを追加する必要があります。
高可用性(High Availability)
高可用性は、障害が発生しても継続的に通常の動作を可能にするための機能です。
EasyCacheで高可用性を使用するには、マスター/レプリカのレプリケーション構成が必要です。
レプリカを追加すると、マスターをモニタリングし、障害モニタリング時に自動的にレプリカがマスターに昇格されます。アプリケーションコードの変更なく、変更されたマスターと接続するためには、EasyCacheで提供される接続URLを使用しなければなりません。
接続URLはドメインになっており、対象ドメインはマスターノードに接続することを保証します。
もしマスターノードに障害が発生してレプリカが新しいマスターノードに昇格されても、ドメインに接続すると昇格された新しいマスターに接続をするようになります。
バックアップ
レプリケーショングループは、スケジュールを登録して自動的にバックアップを作成することができ、手動で特定時点のデータのバックアップを作成することもできます。バックアップはメモリをストレージとして利用するRedisの特性上、ノードやRedisプロセスが再起動されると、データが消去されることを防ぎます。
自動バックアップはレプリケーショングループ削除時に一緒に削除され、手動バックアップはレプリケーショングループの削除有無に関係なく残しておくことができます。手動バックアップと自動バックアップは、すべて保管期間を定めて自動的に削除することもできます。
作成したバックアップを利用してレプリケーショングループを復元すると、バックアップデータをさまざまな新しいレプリケーショングループとして作成できます。
プロファイルの設定
プロファイルは変更可能なRedisの設定ファイルを管理するためのグループです。基本的にはDefaultプロファイルが提供され、別の設定を使用したい場合は、新しいプロファイルを登録して登録したプロファイルを使用するようにレプリケーショングループを作成するか、または既存のレプリケーショングループを変更します。
1つのプロファイルを複数のレプリケーショングループで共有することができます。この場合、プロファイルを変更すると、そのプロファイルを使用するすべてのレプリケーショングループに変更内容を順次適用します。特定のレプリケーショングループのみを変更したい場合には、新しいプロファイルを作成し、レプリケーショングループの変更画面から新規作成したプロファイルに変更します。
アラーム
アラームは、ユーザまたはシステムで特定のイベントが発生したり、作成したレプリケーショングループの性能情報をモニタリングして、指定された閾値の条件を満たす場合にユーザーへメールまたはSMSを送信する機能です。
アラームを受信したい場合は、まずアラームルールを作成します。アラームルールでは、アラームが発生するメトリック、またはイベントの条件を入力し、対象のレプリケーショングループと受信ユーザーをグループにまとめて指定します。
イベント条件はイベントが発生したタイミングで、メトリック条件は1分ごとに収集されるモニタリングデータがシステムに流入するタイミングで、作成したアラームルールに一致するかどうかを判断し、一致した場合に指定したユーザーにアラームを送信します。
イベント
ユーザーまたはシステムによって発生したイベント情報を確認できる機能です。
イベントに関するリソースの名前、タイプ、およびそのイベントが発生した時間とイベントの説明を確認できます。正常に終了していないイベントの場合は、説明に失敗と表示されます。